〇 認知症と便秘
当協会理事長であり、学術研究顧問である森昌夫教授の新しいプロジェクトは、
特に女性に多い悩みの「便秘」と「貧血」改善のための新しい青汁の開発です。
いよいよ完成目前となりました。
そして「グリーンエンジェル」と命名されました。
森教授はおっしゃいます。
「東洋医学において 解毒とは 便秘を取ること」
人の体を健康に保ち、生命維持のための重要な微小循環のシステムは
体中を網羅する微細な血管に血液が循環する血流により、
酸素や栄養素を吸収し、老廃物を除去する仕組みです。
同様に、口から摂り入れた食物の栄養を体内に吸収した後、
排泄物を排出することも、とても重要な仕組みです。
森教授のいう「解毒とは便秘を取ること」という言葉の重さを感じます。
腸について
■ 腸の 7つの働き
消化 吸収 排泄 解毒 浄血 免疫 合成
腸には小腸と大腸があります。
食べ物の消化・吸収や排せつが主な働きです。
が、近年「腸は第2の脳」とも言われ、
脳からの指令がなくても機能できる独自の神経回路
「腸管神経系」を持っていることがわかってきました。
脳とも密接に影響し合う関係の
「脳腸相関」(脳の機能と腸の機能には相互に関連があること)が 注目されています。
【腸の働きの詳細】
消化:消化液と食べ物を混ぜ合わせて 食べ物を分解し、栄養素を吸収する
吸収:糖やアミノ酸、脂肪酸などの栄養素を取り入れる
排泄:毒素などを身体の外に出す
解毒:有害な化学物質を分解する
浄血:腸内の腐敗を防ぐ
免疫:リンパ球など腸の免疫細胞を整える
合成:短鎖脂肪酸やビタミン、ホルモン、酵素などをつくる
【腸内細菌の働き】
① 腸の中心的な働きは 食事から得た様々な食材を 胃や十二指腸で消化して得られた栄養を 主に空腸(小腸の一部で、胃や十二指腸で消化された食べ物をさらに分解し、栄養素を吸収するはたらきをしてい)で吸収する
② 体外から入ってきたウイルスや菌を腸内の免疫細胞が作る IgA という抗体で体を守る
③ 沢山のビタミンを腸が合成する(腸でビタミン B群のほとんどを産生する)
④ 幸せホルモンの セロトニンを合成する
⑤ 腸内細菌は 約1000種類。総数は 100兆個。(ちなみに人を構成する細胞は約40兆個)そのほとんどが大腸に存在し、それを腸内細菌叢と呼ぶ
⑥ 善玉菌を代表する菌は ビフィズス菌、乳酸菌、酪酸菌(これらの菌は野菜・キノコ・根菜類・果物に含まれる水溶性食物繊維をエサとして腸内で短鎖脂肪酸を産生し、これが全身の健康の礎になっている)
⑦ リン(保存料)の摂取を控える
便秘について
■ 便秘に悩む人の割合
アメリカ国立医学図書館によると、世界では、成人した大人の平均的便秘の有病率は 16% と推定されています。
年を重ねるごとに便秘に悩む人が増え、
60歳から110歳では 33.5% の有病率が見られていると示されています。
日本では、20代から50代の女性の約 4割が日常的な便秘で悩んでいるという結果があります。
※ ビオフェルミン製薬株式会社アンケート調査結果(20代から60代までの全国の一般男女1,000人対象)
2022年に行われた厚生労働省の調査によると、便秘を訴える人の割合は日本全体で 35.9%
つまり 3人に1人 は 便秘に悩んでいる ことになります。
特に女性は 43.7% と男性の 27.5% より高く
65歳以上の高齢者男女に限ると 71.2% まで上がります。
国内外問わず、世界中の高齢者の 3人に1人 以上は、排便になんらかの困難さを感じているのです。
※ 2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa22/dl/14.pdf
男女別、年齢別にグラフで表してみました。
女性に便秘症が多いことと、女性に認知症が多いこととの関連性にも注目してみてください。
■ 便秘の定義
便秘や便秘症の定義が2023年に更新されました。
便秘の定義は、2017年の「慢性便秘症診療ガイドライン2017」では
「本来体外に排出すべき糞便を十分量かつ快適に排出できない状態」
と簡潔でわかりやすい表現でした。
2023年のガイドライン2023では、海外での定義を考慮し
本来排泄すべき糞便が大腸内に滞ることによる 兎糞状便・硬便 排便回数の減少や糞便を快適に排泄できないことによる過度な怒責 残便感 直腸肛門の閉塞感 排便困難感を認める状態
とより具体的な表現となりました。
便通異常症診療ガイドライン2023―慢性便秘症 【編集】日本消化管学会
慢性便秘症は
「慢性的に続く便秘のために日常生活に支障をきたしたり身体にも様々な支障をきたしうる病態」
となっています。
■ 便秘の診断基準
便秘と自覚する症状としての 便秘 もありますが、
ガイドラインでは便秘の定義に基づいて通常診療で用いる診断基準が示されています。
慢性便秘症の診断基準
1. 「便秘症」の診断基準
以下の 6項目のうち 2項目以上 を満たす。
排便中核症状
C1(便形状) : 排便の1/4超の頻度で、残糞状便または、タイプ1(小塊が分離した木の実状の硬便・通過困難)かタイプ2(小塊が癒合したソーセージ状の硬便)である。
C2(排便頻度): 自発的な排便回数が、週に3回未満である。
排便回数症状(排便の1/4超の頻度で)
P1(努責):強くいきむ必要がある。
P2(残便感):残便感を感じる。
P3(直腸肛門の閉塞感・困難感):直腸肛門の閉塞感や排便困難感がある。
P4(用手的分助):用手的な排便介助が必要である(摘便・会陰部圧迫など)。
2. 「慢性」の診断基準
6ヶ月以上前から症状があり、最近3ヶ月間は上記基準を満たしていること
ただし「日常診療」においては、患者を診察する医師の判断に委ねる。
(Reme Ⅳ 診断基準及び便通異常症診療ガイドライン 2023)
C1、C2、P1、P2、P3、P4の 6項目のうち2項目以上該当し、
しばらく症状があれば慢性便秘症と診断されます。
便秘の自覚症状がある方は、この診断基準と照らし合わせてみてください。
便秘を取り除き認知症リスクを軽減させるために
森教授は「東洋医学で解毒とは便秘を取ること」と繰り返しお伝えしています。
便秘を改善することで健康を取り戻すことができます。
■ 認知症と便秘 の原因
・ 認知機能の低下や運動不足による腸の運動低下
・ 自己管理能力の低下による内服薬の飲み忘れ、薬の副作用
・ 喉が渇きに気づかず、水分不足になりやすい
・ 食欲が減退し、栄養バランスの悪い食事を摂ることが多くなる
・ 睡眠をうまくとれず、睡眠不足により腸の動きを低下させる
認知症の方は、便秘により自律神経が乱れ、常にイライラした状況にいることで、周囲の介護者につらく当たってしまい、不幸な日常を生じやすくなります。
また、認知症の方は便秘になりやすく、便秘が認知症の症状に悪影響を及ぼす可能性があるので、できるだけ便秘を改善しましょう。
特に排便困難、残便感などの症状は、認知症患者では上手く訴えることができないため見過ごされてしまう傾向にあります。
その結果、直腸内の糞便塞栓(宿便)が形成され、それによって直腸潰瘍(宿便性潰瘍)や消化管穿孔が生じることもあります。
たかが便秘と見過ごすことなく、 認知症と便秘 の関係性にも目を向けてください。
■ 便秘で認知症リスクが高くなる
国立がんセンターの調査によると
(2007年から2016年までの要介護認定情報から、男性で1,889名(9.7%)、女性で2,685名(11.7%)が認知症と診断されていることを確認)
男女ともに 便の頻度が少ないグループほど 認知症のリスクが高くなることが分かりました。
排便頻度が 毎日 1回のグループに対して、週 3回未満 の男性では約 1.8倍、女性では約 1.3倍 認知症のリスクが高くなりました。
性別にみると、この傾向は男性でより強くみられました。
また、男女ともに、便が硬いグループほど、認知症リスクが高いことが分かりました。
国立がん研究センター 多目的コホート研究(JPHC Study)「排便習慣と認知症との関連」
(Public Health, 2023年6月Web先行公開)
詳細 :
https://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/9173.html
※ コホート研究とは、共通の性質を持つ集団を長期間観察して、病気や健康状態の変化を調べる研究です。疫学研究の一種で、病気の発生要因や予防因子を推定する目的で行われます。
世界でも、排便回数の減少は認知機能の低下と関連していることが、多数報告されています。
オランダのアムステルダムとオンラインで開催された
アルツハイマー病協会国際会議®(AAIC® ) 2023で報告され、新たな研究結果から明らかになりました。
ブリガム・アンド・ウィメンズ病院およびハーバード大学医学部の元研究員で、現在は マサチューセッツ大学アマースト校の助教授である医学博士の チャオラン・マー氏は、
看護師健康調査、看護師健康調査 II、医療専門家追跡調査の 11 万人を超える人々を対象とした 3つの研究成果を発表しました。
重要なポイント :
① 慢性便秘(3日に1回以上の排便)は、認知機能の悪化の兆候である可能性がある
② 研究によると、慢性的に便秘に悩む人々の認知能力は 3年分の老化に相当するほど低下しており、これは便秘が老化した脳に及ぼす潜在的な影響を調べた初めての研究である
③ この新たな発見は、健康な腸と健康な脳を結びつける研究の増加に寄与するものである
研究者たちは 3日に1回以下の排便頻度 を持つグループの 認知機能の低下のリスクが 73% 高まる ことを発見しました。
長期間にわたる便秘は 腸内で便が滞留し、これが炎症と毒素生成を引き起こす可能性があるとされています。
この炎症や毒素は脳に影響を及ぼし 認知症のリスクを高める要因となる ようです。
また、腸内フローラは 脳との相互作用に関与していると いわれています。
便秘は腸内フローラを乱すため、脳の機能にも悪影響を与える可能性があるとされています。
さらに、便秘による身体的な不快感とストレスが、慢性的なストレスとなり、認知症の発症リスクを増加させる要因となることがあるとされています。
これらの要因が組み合わさって、便秘と認知症の関連性が生じると考えられています。
https://aaic.alz.org/releases_2023/constipation-gut-health-alzheimers-dementia-risk.asp
■ 便秘薬を摂取し続けると認知症に?
2023年の4月に公表された研究では、認知症の発症と便秘薬の使用の関連性が調査されています。
502,229人の参加者のデータを使用し、研究者は 便秘薬の使用が認知症のリスクを 51%、 脳血管性認知症のリスクを 65%増加させることを報告しています。
さらに、定期的に摂取する便秘薬の数に比例して 認知症のリスクが増加することも示されています。
1つの便秘薬タイプを使用するグループは、認知症のリスクが 28%増加し、
2つ以上の便秘薬を使用したグループは、非使用者と比較して 認知症のリスクが 90%増加しました。
便秘薬による腸内フローラの変化が、
認知症の指標である 毒素の生成を増加させる可能性があると指摘されています。
その他、便秘薬の使用が腸内フローラの組成に影響を与え、
免疫反応に長期的な変化を引き起こす可能性がある といくつかの研究で示唆されています。
※ 参考 : 便秘に⽤いられる主な保険適応薬剤の⼀覧 (⼀部保険適応外を含む、坐剤を除く)
https://www.do-yukai.com/medical/images/2410//hyou02.pdf
また、便秘となる原因にはストレスも大きく影響します。
特に 男性の便秘の原因 No.1 はストレス です。
ストレスには質の良い睡眠が必須です。
→ https://disajp.org/knowledge/5558/
貧血についても、特に女性の場合は、20〜30代では月経による出血、
40〜50代では更年期の頻発月経や鉄分の吸収力の低下で貧血になりやすい特徴があります。
森教授のところに健康へのお悩みをもって来訪される 女性の 5人に4人は貧血状態です。
(血流観測機器 マイキュレーターによるデータが貧血状態を確認できます)
貧血が健康や美容に与える影響の大きさを感じています。
これらの要因が組み合わさって、便秘と認知症の関連性が生じると考えられています。
参考 : その他 認知症と便秘 についての 研究報告
国立長寿医療研究センター 「認知症病棟の慢性便秘症患者に対する取り組みについて」
詳細 :
https://www.ncgg.go.jp/hospital/iryokankei/letter/107.html
■ 便秘を改善するために
便秘を改善するためには、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維のバランスが取れた食事の摂取が鍵となります。
水溶性食物繊維は水を吸収し、ゲル状に変わる特性があるため、便が柔らかくなります。
一方、不溶性食物繊維は腸の動きを活発にし、排便を促進します。
一般的には、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維を1:2の割合で、
男性は約 21g以上、女性は約 18g以上摂取することが推奨されています。
こまめな水分補給や、十分な睡眠、運動等も便秘の改善に役立ちます。
新開発商品 これまでにない青汁 グリーンエンジェルも、上手に活用してください。
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