6月の 認知機能障害予防の食生活のすすめ は
■ 薬効のある 紫蘇 (しそ)
6月は梅雨の季節です。
古くから梅の時期とされてきた6月。
「梅仕事」という日本らしい言葉もあります。
梅干しを漬ける紫蘇。
シソは、漢字で「 紫蘇 」と書きます。
中国には、この名前にまつわるおもしろい逸話が残っています。
カニを食べて食中毒を起こし、死にかけた若者に、時の名医が紫色の葉を煎じて飲ませたところ、若者はたちどころに蘇生しました。
以来、この紫色の葉を、「 紫蘇 」と呼ぶようになったというのです。
現代では、青じそが、刺し身のつまとして添えられますが、
紫蘇には魚介類についた細菌を殺す作用があり、食中毒を防ぐ働きがあります。
刺し身だけでなく紫蘇もいっしょに食べてみてくださいね。
紫蘇は、日本古来の在来種という説と、漢方薬として中国から持ち込まれたという説があります。
大葉(青じそ・しそ)は、古くから薬効があるとして重宝されてきた野菜で、ビタミンA、ビタミンC、ミネラルなども豊富で栄養面も豊かな野菜です。
鉄分とその吸収を助けるビタミンC がバランスよく含まれているので、貧血予防になります。
豊富なビタミンCには、ガン予防作用もあります。
大葉が刺身のツマとして使われる一番の理由は、殺菌力と防腐効果とその香りです。
殺菌作用は、細かく刻めばより効果が高まります。
また、大葉を原料とした漢方薬「香蘇散」には魚が原因のじんましんの症状に効果があるそうです。
この殺菌効果のある成分は、ペリラアルデハイド、リモネンなどのしその独特の香りの成分が主です。
その他にも、食欲を高めたり、精神を安定させたりするという効果があります。
精神安定には、カルシウムが神経の刺激伝達などに関与し神経を安定させる作用があるので精神安定になります。
アメリカの国立ガン研究所では、がん予防のための植物リストに入っています。
ガンや動脈硬化などを引き起こす有害な活性酸素から身体を守ってくれる(抗酸化作用)があります。
大葉に含まれる豊富な β―カロテンにガン予防効果があると注目されています。
β-カロテンは免疫力を高める効果があり、大葉のβ-カロテンの含有量は野菜の中でもトップクラスに入ります。
β-カロチンは、体内で必要に応じてビタミンAに変わり、その抗酸化作用により活性酸素を抑える働きがあります。
その抗酸化作用により活性酸素を除くことでコレステロールの酸化を防ぎ、血液をサラサラにして血管の詰まりを防ぐほか、ガンや老化、生活習慣病の予防に効果を発揮します。
また、α-リノレン酸が多く含まれており、体内で分解されると栄養素「EPA・DHA」を生成し、老化で働きが弱くなった脳の神経細胞を活性化させる働きがあります。
神経細胞の死滅を防ぎ、さらに細胞の働きを活性化するので認知症予防になります。
また、体内でイコサペンタエン酸(IPA)に変わり血液をサラサラにする効果があるので、脳卒中や心筋梗塞の予防に効果があります。
さらに、ロズマリン酸という成分が含まれており、この成分はポリフェノールの一種で、免疫機能を正常に保ち、血液をサラサラにし、体脂肪を分解する働きがあります。
それに加え血糖値を抑制する働きもあります。
ロズマリン酸はその抗酸化力で活性酸素を抑えるほか、炎症反応を起こりにくくする働きがあります。
よって炎症が起きた時に悪化を抑えるだけでなく、炎症が起きにくい体をつくることもできるのです。
アトピー性疾患や花粉症、金属アレルギーなどのアレルギー反応も炎症なので、シソを摂取する事で予防が可能になります。
また、強い抗酸化作用と抗炎症作用があります。
全体的にバランスよくビタミン、ミネラル類が含まれていますので昔から薬草と呼ばれているそうです。
様々なファイトケミカルが含まれており、その中でも最も注目されているのがフラボノイドの一種である「ルテオリン」です。
このルテオリンはヒスタミンを抑える役割をもち、アレルギーを抑える効能があります。
ですから、花粉症などのアレルギー性鼻炎に悩まされている春先には、この大葉(青じそ)を多く摂ることによって症状を和らげることができます。
■ しその効能
① リラックス効果
② 食欲促進
③ 免疫力アップ
④ 美肌効果
⑤ がん予防
⑥ 認知症予防☚「ロスマリン酸」がアルツハイマー病予防に効果があるとの研究が発表されました。
認知機能の低下による認知症の予防、うつや不安症状を和らげる効果 などが期待されています。
また、血糖値の上昇を抑制する働きや、摂取した糖を脂肪に変換しにくくする働き、 体に脂肪がつきにくくするなどの期待がされます。
アントシアニン : 活性酸素を抑制する効能がより効果的と言われています。
香り成分 : ぺリルアルデヒドやリモネン、ピネンなどによるものです。
このぺリルアルデヒドには、消化酵素の分泌を促進させ、食欲の増進や消化の促進、整腸作用が期待されます。
ビタミンC : 抗酸化作用の他に、メラニンの生成を抑制する働きも期待ができます。
また抗酸化作用があり、赤紫蘇の旬である紫外線の強い夏でも、体を守る役割をしてくれます。
ただし取り過ぎには注意が必要です。
βカロチン : にんじんの約1.2倍、ほうれん草の約2倍、かぼちゃの約2.5倍といわれています。
⇒このβカロチンは体内でビタミンAに変換され、免疫力の強化や 視力の維持、皮膚や粘膜を丈夫に保つ働き、血液中の活性酸素の抑制や細胞の老化を防ぐといわれています。
カリウム : カリウムは体内の細胞を正常に保つ働きや、血圧の上昇の抑制、高血圧の予防のほか、筋肉の収縮がスムーズになるような効果も期待できます。
カルシウム : カルシウムは歯や骨の健康を維持するのに必要な栄養素です。
鉄 : 鉄は体内で血液中の赤血球を作るヘモグロビンの成分になり、酸素の運搬などの重要な働きを担う、重要な栄養素です。
鉄が不足するとヘモグロビンも減少し、体内に十分な酸素を運ぶことが出来なくなるため、 疲れやすくなったり、心臓に負担がかかったりします。
不足すると貧血を起こすこともあります。
貧血の予防と改善には、鉄の日常的な摂取と、鉄を体内に効率的に吸収する手助けをする、 ビタミンCをいっしょに摂取することも大切です。
鉄だけでなくビタミンCも多く含まれている赤紫蘇は、貧血の予防と改善に効果的といえます。
葉酸 : 含有量の多いブロッコリーや納豆に次いで多く赤血球や細胞を新しく作り出すために必要な栄養素です。
不足すると口内炎や肌荒れ、疲労感などの症状が現れます。
また日常的に飲酒をする人も意識的に摂取するようことをおすすめします。
作ってみよう 紫蘇ジュース
梅雨に入ってまもなく、赤じその葉がスーパーや八百屋さんに出回ります。
しそは「紫蘇」と書くとおり、本来は赤じそで青じそはその変種です。
赤じそは6月から7月の梅雨時だけのもので、梅干しを漬けるのに使いますが、葉を煮だしてしそジュースにするのもおすすめです。
しそジュースの作り方
【材料】(2リットル分)
赤じその葉 : 100g
水 : 2L
砂糖 : 200~300g
酢またはクエン酸. : 5~25g
殺菌した密閉容器
【作り方】
①赤じその葉は水でよく洗う。
②大鍋に水を沸かし、沸騰したら赤じその葉を入れ、5~10分ほど中火で煮る。
③砂糖を加え、溶けたら火を止め、葉は取り出す。
※葉は色が抜けて緑色になりますが、捨てずに刻んで山椒やちりめんといっしょに佃煮にするのもおすすめ。
④しそのエキスが溶け出た③に酢(クエン酸)を加える。
⑤冷めたらザルでこし、殺菌した密閉容器に移し、日付ラベルを貼って冷蔵庫へ。
※1週間以内を目安に飲み切るようにしましょう。
酢を加えると、赤ワインのようなキレイな赤い色に変わります。
氷水や炭酸水などで割って、レモンやライムを添えてさわやかな夏のドリンクにいかがでしょう。
牛乳に入れても意外においしく飲めます。
焼酎やジン、ウォッカなどを加えてカクテルにしても。