ドクターが持ち歩いている あの薬と聞くと、なんだと思いますか?
消毒薬?
胃薬?
目薬?
実は・・・
小児用バッファリン!
とは、 森教授の ここだけの話
常に ドクターが持ち歩いている 薬は 何だと思いますか?
人間が死ぬ時は たいてい血栓が原因です。
血栓とは 血管の中に 血の塊ができること。
血小板が固まって、そこから血が行かなくなり、
いきなり死んでしまうのです。
(筆者は、昨年12月に亡くなった中山美穂さんを思い出しました)
小児用バッファリンは、何かと言うと、血栓を固まりづらくする薬。
害も少ないのでドクターは、まず血が固まらないようにする、
小児用バッファリンをいつも持って歩いてます。
アスピリンが主成分の「小児用バファリン」
小児の解熱剤 としても使われますが、
狭心症や心筋梗塞を防ぐために 大人にも処方されています。
アスピリンは 血液をさらさらにするため 血栓ができるのを 防ぐからです。
しかし 注意していただきたいこと があります。
「小児用バファリン」は 発売当初、
医療用 も 一般薬 も 「小児用バファリン」の商品名で、主成分も ともにアスピリンでした。
しかし、1981年、
インフルエ ンザにかかった小児に アスピリンを投与すると
「ライ症候群」 ※ を発症する 危険性が指摘されました。
※ ライ症候群と らい病は無関係です。
「らい病」とは ハンセン病の旧称で、らい菌(Mycobacterium leprae)によって引き起こされる慢性感染症です。
(明治6年(1873年) 「らい菌」を発見した ノルウェーの医師 ハンセン氏の名前をとって 1996年に「らい予防法」が廃止され 「ハンセン病」に改名されました)
ハンセン病の症状には 次のようなものがあります。
・ 皮膚に発疹や隆起ができる
・ 手足や顔面などの末梢神経が麻痺する
・ 汗が出なくなる
・ 痛みや熱さ、冷たさなどの感覚がなくなる
・ 鼻づまりや鼻血などの鼻粘膜の症状が現れる
・ ハンセン病は、早期に治療すれば障害を防ぐことができる
・ 適切な治療を受ければ確実に治る病気
・ 神経の損傷や患部の変形を元の状態に戻すことはできない
ハンセン病の歴史は古く、日本書紀や今昔物語集にも「らい」の記述があります。
明治時代には諸外国から非難され、1907年に「癩予防に関する件」という法律が制定されました。
この法律により、ハンセン病患者は療養所に入所させられ、一般社会から隔離されました。
らい予防法は 1996年(平成8年)4月1日に廃止され
「らい予防法の廃止に関する法律」が施行されました。
現在は 療養所に入所する患者やその家族の医療や福祉、生活の維持が図られています。
また、ハンセン病患者や その家族に対する 補償金の支給や 名誉回復のための法律も施行されています。
ハンセン病は、特効薬の登場により、患者を 強制収容・隔離するほどの特別な病気ではなくなりました。
しかし、強制隔離の経験は 患者やその家族に大きな心の傷を残しています。
現在でも ハンセン病患者やその家族に対する差別や偏見は根強く残っており 社会復帰に不安を感じている人もいます。
厚労省 ハンセン病に関する情報ページ
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/hansen/index.html
ちょっと寄り道
ハンセン病というと 松本清張の『砂の器』が思い起こされます。
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近年の『砂の器』映像化は、ハンセン病を差別と考え、設定を大きく変更したため、
原作 あるいは 当時の映画の伝えたかったことが薄れているように思います。
映画では、ミステリーサスペンスと共に、
政府 国民 の 無知と偏見 が、どれほど人を不幸にするのかという
悲哀を 描いた秀作であり、当時の呼び方であれば ハンセン氏病 が
日本にとって どのような病であったのかを記録した作品であったかを教えてくれています。
ライ症候群は、ウイルス感染症後に肝障害を伴う急性脳症です。
一方、らい病は感染症ではありません。
ライ症候群の原因は不明ですが、ウイルス感染症の治療に
アスピリンや吐き気止め薬を使用すると 発症のリスクが高まることが研究で示されています。
ライ症候群の症状は、次のようなものがあります。
・ 上気道感染症、インフルエンザ、水痘などのウイルス感染症の症状
・ 5~7日後に突然、激しい吐き気と嘔吐
・ 1日も経たないうちに反応が鈍くなり(嗜眠)、錯乱、見当識障害が起こり興奮し始める
ライ症候群の病状が進行すると、肝臓や脳に重大な障害を起こし、
生命を脅かすほどの深刻な状態に陥ります。
早期に正確な診断を行い迅速に対応を取ることが非常に大切です。
MSDマニュアル 家庭版 ライ症候群
このライ症候群が問題となり、
安全性の点から 一般薬(市販されている薬)のみ主成分を
アスピリン から アセトアミノフェン に変更し、
商品名も「小児用バファリンC2」と変えました。
市販の大人の痛み止めバファリン錠には、バファリンAのみアスピリンが含まれています。
1錠あたり アスピリン(アセチルサリチル酸)が 330ミリグラム含まれています。
血液凝固を抑える作用は アスピリンを80ミリグラムで、
処方箋の小児用バファリンが、ちょうど80ミリグラムです。
バファリン成分について
https://www.bufferin.net/lineup/
日本山岳会 アスピリンの”血液さらさら”と登山 719号
アスピリンは解熱・鎮痛薬として有名ですが、医療上、それと同程度に重要なものに抗血小板(血小板凝集能抑制)作用があります。
血小板の凝集が抑制されると、血液が固まりにくくなる、つまり、”血液さらさら”になります。そのためにアスピリンは、血栓を起こしてほしくない人(狭心症、心筋梗塞や脳梗塞の既往のある人)や、起こす危険の高い人(心房細動などの不整脈のある人)に予防的に投与されます。
現在、抗血小板薬として使用されるアスピリンには、「バファリン81mg錠」と「バイアスピリン」などがあり、アスピリンの量は1錠81~100mgです。
“血液さらさら”作用を目的とする場合には、1日あたり1錠を内服します。
それに対して解熱・鎮痛作用を目的とするアスピリンには「バファリン330mg錠」などの商品があり、これを1日に500~1500mg内服します。
効果をあらわす血液中の濃度は、“血液さらさら”は1~2μg/ml、鎮痛は25~50μg/mlで、“血液さらさら”は鎮痛の約25分の1と少量です。
病気のない方でも、脱水によって血液が濃くなると血栓ができやすい状態になります。
登山では、汗をかいたあとに十分に水分を補給しなかったり、トイレが近くなるからと意識的に水分を摂らなかったり、あるいは前夜に深酒をすると、脱水状態になって血栓ができやすくなります。ま
た、高所では一層、脱水をきたしやすいので、要注意です。血栓への対策としては、水分補給が第一ですが、“血液さらさら”量のアスピリンを内服することも予防になるでしょう。
欧米人は高所で血栓予防のためにアスピリンを内服しているのをみかけますし、2004年5月にエベレストを登頂した河野千鶴子さんもアスピリンを使っていたと聞きました。
ただし、アスピリンは副作用として、止血させにくくさせるとともに、胃の炎症や潰瘍を起こす場合があります。
特に日本人はアスピリンで症状を起こしやすいことが知られており、過量な内服は有害です。
また、高所では胃潰瘍を生じやすいので、一層、注意が必要です。
“血液さらさら”を目的とした低用量のアスピリンは市販されていません。市販のアスピリン錠を分割して内服する人もいますが、量が不正確になりやすいので、医師に処方してもらうことが必要です。
なお、小児ではインフルエンザなどのウィルス疾患にアスピリを投与するとライ症候群という脳症を起こす場合があるので禁忌で、「小児用バファリン」は主成分がアセトアミノフェンになっています。成人用でも、「バファリン」という名称でアスピリンではなくアセトアミノフェンのものがありますが、その場合は“血液さらさら”作用はないので、成分を確かめることが必要です。
光華には血栓が固まるのを防ぐ作用もあります。
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