犬の認知症の正式名称は、 「認知機能不全症候群」といいます。
人間の寿命が延びて高齢化が進んだように、犬や猫も、動物医学の発展や、フードなどの改良によって、長寿犬が増えています。
長寿は嬉しいことの反面、認知症になる可能性も高くなります。
ペットが認知症になったら?!
人間と同じく、犬も老化します。
身体が痩せて白髪が増えた、
眼が白くなってきたなど「身体的老化」と、
動作が鈍くなり、歩き方がぎこちなく、物などにぶつかりやすくなった、
寝ていることが多くなったなどの「行動の老化」が現れます。
健康な犬でも起こる自然な現象ではありますが、
老化が原因で脳機能の衰え・認知機能低下により、認知症の症状が現れ、
「まさか!愛犬が!」という時に備え、
早めに、ペットの認知症についても知っておくとよいでしょう。
老犬の認知症は20年ほど前から研究が始まり、10年前に一般的に知られるようになりました。
認知症になりやすいといわれているのは、柴犬、秋田犬、甲斐犬などの日本犬が挙げられます。
ゴールデンレトリバー、チワワ、ミニチュアダックスフンドなどの洋犬は極めて少ない傾向になっています。
犬の認知症の症状は、段階的に進行する人間のアルツハイマー型認知症と似ていて、平均11歳(早くて7~8歳頃)で発症し、13歳を過ぎて急増します。
また、犬ほど多くはありませんが、15歳以上の猫にも認知症が現れやすいようです。
犬の認知症症状は、
・ 狭いところに入り出られなくなる。
・ 夜、単調な声で鳴き続ける。(夜鳴き)
・ ぐるぐる同じところを回っている。(徘徊・旋回)
・ 他の犬に興味を示さない。呼びかけに反応しない。(無気力・無関心)
・ 異常に食べるが下痢もせず、太らない。(異常な食欲)
・ 飼い主のことがわからず、名前を呼ばれても反応しない。
・ 昼夜を問わず一日中寝てばかりいる。(昼夜逆転)
・ トイレを失敗することが多くなる。できていたことができなくなる。(しつけ行動ができなくなる)
・ 突然怒って噛みつく。攻撃的になる。(感情の起伏が激しい)
などが見られます。
予防や症状改善としては、飼育環境の改善(十分な空間と安全な足場の確保)や、
十分な栄養管理と規則正しい食事・運動(トレーニング、遊びを含む)、
できるだけ声を多くかけ、撫でるなどのコミュニケーションをとる、
刺激(音楽を聞かせたり、アロマを焚いたり、散歩のコースを変えるなど)
を与えるといったことが大切です。
認知症と診断され、動物病院での治療では、DHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)を投与すると、症状が改善することもあるそうです。
DHAやEPAは血液循環をスムーズにして動脈硬化を防いだり、脳神経細胞を活性化させたりする働きがあります。判断力や集中力を高め、痴呆・認知症の予防や改善につながるといわれています。コエンザイムQ10Qは免疫力を高め、老化の原因物質を減らします。
日本の秋。秋の魚、サンマには、DHAやEPAが多く含まれています。人間もペットも、認知症予防・改善に有効な手段は同じです。愛情をもって、そして正しい知識と支援を知ることで、助け合いながら、認知症介護を前向きに過ごしましょう。
※ 当協会が認知機能改善のためにおすすめする霊芝には、DHA・EPAが含まれています。