認知症による行方不明の届け出 全国で延べ1万7479人と過去最多となりました。

認知症による行方不明者の数は毎年、「最多の更新」が続いています。

警察庁によれば、2019年 に出された行方不明の届け出のうち、
本人が認知症(疑いを含む)だった人数は延べ 1万7479人 に達しました。
このうち 245人 は昨年中には見つからず、
460人 (2018年以前の届け出分を含む) が遺体で発見されています。

警視庁 行方不明者

そして、今後、認知症による行方不明は、

確実に増えていく

と 桜美林大学 老年学総合研究所 の 鈴木隆雄所長 は訴えます。

厚生労働省の推計では、65歳以上の認知症の人は2012年に462万人。

それが 2025年 には 約700万人にまで増え、
「65歳以上の約5人に1人が認知症」という社会になり
認知症が原因の行方不明者も当然増えていきます。

認知症と行方不明についての研究は、これまで、注目されていませんでした。

鈴木氏の研究グループは 警察庁の全国データや
愛知県内の自治体などのデータを分析し、
2016年に調査結果を発表しました。

そこで、新たに分かったことがいくつもあったといいます。

例えば、軽度の認知症でも行方不明は起こり得る ということもその一つです。


誰もが当事者になり得るこの問題に、どう向き合えばいいのでしょう?

認知症による行方不明の届け出

 

Yahoo! ニュース 特集編集部 が、妻の外出に悩む夫らに話を聞いたまとめが下記の通りです。

さらに、ICT(情報通信技術)の活用事例や
「安心して徘徊できるまち」を掲げていた福岡県大牟田市を取材した時の内容です。

(文・笹島康仁、末澤寧史 写真・笹島康仁/Yahoo!ニュース 特集編集部)


ある日突然、外出したまま帰らない

〈一人ででていかないでね!〉

滋賀県野洲市に住む 松岡勇さん(81) の 自宅玄関のドアノブには、そう書かれたシールが貼ってある。
妻・妙子さん(79)が 「自分の家」を 探して、自宅を出てしまうからだ。
ドアの鍵は 妻の目の届かないところに隠してある。
窓も全て、鍵がなければ 内側からでも開かないように作り替えた。

早朝、妻がドアノブをガチャガチャと開けて外に出ようとすることがある。
ドアは内側からも鍵が掛かる。

閉じ込めているようで心が痛むけれど、命を守るためには仕方がない

と勇さんは考えている。

「交通ルールが分からなくなっていて、車の行き交う道路を赤信号でも渡ってしまう。事故に遭ったら大変です」

16年前まで夫婦で理髪店を営んでいた 松岡勇さん。

妻が初めて行方不明になったのは、7、8年前のことだ。

夕刻、何も言わずに自宅を出たまま、夜になっても帰ってこない。

不安に思った勇さんの元に、約2キロ離れた住宅会社から連絡が入った。

「真っ暗になって怖くなったのか、明るいオフィスに駆け込んだようです。ほっとしましたが、どうしてこんなことになったのか、あの時は分かりませんでした」

その後も妻が突然家からいなくなることが続き、
原因は 認知症 だと分かってきた。

自分や娘たちだけでは捜し切れず、警察に捜索を依頼したことも 5度ある。

「今でも油断をすると一人で外に出てしまう。認知症の介護はこんなに大変なものかと、当事者になって初めて分かりました」

「できる限り在宅で妻を看たい」

と話しています。


届け出数 7年間で倍増

徘徊という言葉があります。

しかし、本人に徘徊しているつもりはありません。

過去の記憶と現実との境目があいまいになり、
かつて住んでいた家や勤めていた会社に行こうとしてしまうのです。

これはむしろ、一部の記憶が島のように残っているからこそ起こります。

運動機能が十分ある方はどんどん歩いていき、
夏場などでは脱水症状を起こして亡くなることが多くなります。

実際、死亡例は水場の近くでの発見が多く、川の近くや家の近くの側溝で亡くなった方もいます。

逆に寒い時期などでは、低体温症で亡くなる方が多いのも特徴です。


重要なのは、一刻も早く警察に届け出ること。

届け出が遅れれば遅れるほど遠くに行ってしまいます。

そして、見つからなかったり、亡くなったりする確率が上がります。

認知症の方は、いつ(行方不明の)当事者になってもおかしくないし、再発率も高いのです。

『そのうち帰ってくる』と 安易に考えないでください。


大阪で不明となり 和歌山で発見されたケース

思いがけない遠方で保護されるケースも少なくありません。

認知症による行方不明の届け出 遠方で発見

自転車や車などで大きく移動していた事例や、
九州の男性が東京駅で保護されたケースもあります。

認知症による行方不明の届け出 のうち、

高知市に住む 78歳の女性は、
大阪府で行方不明になった夫が和歌山県で保護された経験を話してくれました。

16年前の2月。
64歳だった夫は、会社の元同僚たちと泊まりがけのゴルフに出かけました。
その2年前に認知症と診断されていましたが、仲間とは40年来の付き合い。
宿泊は、何度も泊まっている馴染みの山荘だったので安心していました。

早朝、夫の元同僚から「ご主人がいなくなり、捜している」との連絡が入ったのです。
あわてて、妻である女性が、現地に向かっていると、
和歌山県の警察署から連絡が来ました。
宿泊していた大阪府の山荘から数十キロ離れたドラッグストアの前で、うずくまっていた夫が保護されたとのこと。
山荘の浴衣を着たままで、履いていたのはスリッパ。
その姿で、冬の夜道を歩き続けていたようでした。

その後、夫は突然いなくなったり、住宅街をさまよって通報されたりすることが続いたそうです。
保護された時、他人のキャッシュカードを持っていて騒ぎになったこともあったとのこと!

しかし、女性は、 認知症による行方不明の届け出 について強い後悔があるそうです。

夫が認知症だという事実をなかなか受け止められなかったこと。

時折異変はありつつも、普通に生活はできていたし、何より身体が元気だったことで
病院から足が遠のき、処方された薬を飲まない日も多かったのだそう。

現在、夫は 80歳。
寝たきりで、特別養護老人ホームで暮らしているそうです。

新型コロナウイルスのために面会もままならない日々が続いています。
一度だけ面会がかなったとき、
「変わりはないか」
と、妻の頭に触れて気遣ってくれたそうです。

妻の後悔は、

「もっと早くから治療に専念して、サポートできていたら違っていたのかもしれません」

現在、妻は認知症の人や家族が集まる「オレンジカフェ」を手伝っているそうです。
そこには、「自分の経験を生かしたい」という思いがあるそうです。


ICTで救われた人たち

家族が当事者になったら、どうしたらいいのでしょう。

近年、行方不明者の捜索手段として、ICT(情報通信技術)が注目されています。
前出の鈴木所長も「行方不明者の捜索のために最も有効なのはGPSなどの活用です」とのこと。

スマートフォンのGPSによる見守り機能を使ったり、
「ロガー」と呼ばれる小型の装置を持ち物に付けて経路を記録したり。
QRコードで連絡先が読み取れるようにする事例もあり、
全国の自治体で導入の動きが広がってきました。

前述の行方不明者の家族も、3年前からGPSを活用しています。

妻の靴の中に小型の発信器を入れて、
娘やケアマネージャーらが スマホやパソコンから居場所を確認できる仕組みです。
実際に使って発見できたこともあるとのこと。


GPSでの捜索はスマホからもできる

認知症によって、行方不明になった家族は

「さまざまな工夫をしてきましたが、GPSならどこにいても見つけることができる。 一番役に立ちました」

と言います。

しかし、残念なことに GPS や QRコード も万能ではありません。
機器の電池が切れたり、本人が持たされるのを嫌がったりするケースもあります。

「ケータイは放り投げるし、連絡先を服に縫いつけてもちぎり取ってしまう」

と妻の介護をしてきたある男性は話します。

自治体や関係者が広域連携していても、
サービスの範囲外へ出てしまうと捜索が難しくなるという問題も出てきます。

こうした課題を解決しようと、
「オレンジセーフティネット」(OSN)
というシステムの開発も進んでいます。

OSNは、スマホのアプリで各地にいる捜索協力者をつなぐネットワークです。

⓵ 協力者は事前にサービスに登録する。
⓶ 行方不明者の家族が「見守り依頼」をアプリから発信すると、各地の協力者にその情報が届く。
⓷ 行方不明者の特徴などがアプリを通じて共有され、捜索に活かす

という仕組みです。

ほかの協力者がどこを捜しているのかを知ることもできます。

「特別な機器は必要なく、全国レベルで機能するメリットがあります」

と OSNを主導するソフトバンク 東谷昭秀さんは話します。

「現在の情報共有はメールやFAXが一般的で時間がかかる。瞬時に、広範囲に情報を共有することができれば、より確実に行方不明者を捜せると考えています」

OSNは 宮城県東松島市や岩手県紫波町など 10自治体が導入済み。
愛媛県久万高原町では、行方の分からなくなった80代女性を、情報配信から15分ほどで発見した実績も。

同町では、認知症の人のOSNへの登録がまだ少ないという課題はあります。
が、担当者は「役場や警察などを経由せず捜索を始めることができた。情報共有の速さを実感しました」と話していました。


一方で、単に ICTを導入すればいいわけでないと

市内で孤立死が起きたことをきっかけに、地域の見守り活動が活発になった地域もあります。

行方不明となった 高齢者役の人を地域で捜す「模擬訓練」も全国に先駆けて着手し、

「安心して徘徊できるまち」

を掲げました。


行方不明者を捜すための「ほっと安心ネットワーク」も構築中です。

届け出を受けた警察が情報を発信し、周辺自治体も含めた関係機関で共有する仕組みです。

情報のやり取りはFAXが基本で、
有志の SNSグループが 可能な範囲で行方不明者の情報共有を行い、
すぐに捜し出せる体制が整っているということです。

これらの仕組みにより、情報伝達に要する時間は短縮され、
行方不明者の情報を広く発信する前に発見されるケースも増えたそうです。

「同じ地域に住んでいる方が捜すのが圧倒的に速い。地域のつながりを構築した上で、ICTを活用すべきだと思います」


この「安心して徘徊できるまち」を掲げていた大牟田市は、

2015年にその看板を下ろしたそうです。

「“徘徊”とは、当てもなくうろうろと歩き回ることを指します。最初は啓発のために有効な言葉でしたが、本人は記憶の中にある『家』や『職場』といった目的地を持っている。この行動を理解するために、徘徊という表現をやめようという結論に至りました」

今の課題は「ケアの個別化です」

「『声をかけよう』『見守ろう』というのが強すぎたかな、ということです。『声をかけられたくない』と言って、家にこもりがちな人が出てきてしまいました。一人ひとり、ケアのあり方は違う。その人に合った支援のあり方を考えていくことが、これからのまちの課題です」


滋賀県大津市の梅本高男さん(78)

2013年に 妻の安子さん(77)が認知症になった。

その約1年後から3年間はほぼ毎日、妻が一人で外に出てしまった。

GPSも玄関ドアのセンサーも解決には結びつかない。

家を出て 9時間も見つからなかった日もあった。

梅本高男さんは「認知症の人と家族の会」滋賀県支部副代表でした。

「いっそ一緒に出歩いてみよう」と外に出たことも。

「でもね、その時の妻にとって、僕は夫じゃない。ついてくる怖いおっちゃん。連れ帰ろうとして『何すんねん!』と叩かれたこともあります」

その後も認知症は進みました。

「生活の全てが介護。『手にかけてしまうかも』というほど追い込まれ、精も根も尽き果てた」

というところで、妻は特別養護老人ホームに入所。

それによって、妻との過ごし方を考える余裕ができたといいます。

振り返れば、前兆は早くからあったそうです。

食器が下駄箱にあったり、携帯電話が冷凍庫に入っていたり。

当時は理由が分からず、強い口調で妻を怒鳴ることもあったそうです。

でも、今は違う感情をもつように。

「遅くはなってしまったけれど、家族にしかできない介護のやり方を考えられるようになったんです。お昼にコンビニ弁当を買ってね、妻のところで一緒に食べるんです。そのときに、昔の思い出を話すんですよ。作ってくれたあのおかず、こんなのがおいしかったね、とか。定年後に2人で出かけた北海道旅行の写真を2、3枚持って行ったりしてね。楽しかったね、と」

梅本さん夫妻は、2人とも旅行が好きでした。

認知症が進んだ安子さんとは、昔のような会話はできません。

それでも、高男さんの話に耳を傾け、うなずいてくれる。

記憶はなくても心は変わらない、と感じるそうです。

「習慣がなかったので、恥ずかしかったけど」 と

「スキンシップも取るようにしているんです。ある時、ハグをしてみたんです。そしたらね、ぎゅっと抱きついて離れない。『みんな見てるし、恥ずかしい』と言ってもやめへんかったことがあってね。手をつないで散歩をしたりもしています」

今は新型コロナウイルスの感染防止のため、これまでのような面会はできません。

だから、ホームの職員にスマホを渡して動画を撮ってもらったり、ガラス越しで面会させてもらったり。

2人の時を過ごせるよう工夫を重ねているとのこと。

梅本さんは言います。

認知症になっても、家族であることに変わりはない、と。

「毎日ケンカばっかりしていた妻が、ある日突然いなくなる。寂しいですよ。たまたま認知症になって、今は住んでいる場所が違うだけ。彼女は覚えていなくても、妻であることには変わりはないじゃないですか。だからね、できることはしたいんです」


認知症を発症することによって、家族は負担が増えます。

しかし、その負担を背負える重さであれば、過去の積み重ねてきた思い出や愛情のお返しができる家族もあります。

一方、どんなに愛情や責任感、真面目さ・誠実さで、認知症と向き合っても、ある瞬間に、背負っていたものに、自分が押しつぶされ、すべてを放り出したくなることもあります。

頑張ったことに、正誤も是非もありません。

ただ、背負う荷物が重たければ、誰かと分け合う選択も間違いではありません。

当協会では、認知機能障害改善用組成物の特許を取得した 光華(KOUKA)という、

微小循環(毛細血管)を再生する作用をもつ霊芝(HM真菌種の非常に良質な霊芝)を原料にしたサプリメントを、会員向けに提供しています。

一般市価では、39,000円(税別)ですが、当協会会員は、認知機能障害改善の研究協力として、

一般個人会員 31,000円(税込)

一般ペア会員 58,000円(税込)

にて、定期購入を行っております。

現時点の症状を、少しでも改善したいとお考えの方は、

いつでも任意退会可能ですので、お試しいただけましたら幸いです。

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