☆ DISAJP NEWS ☆ Vol.62 2023年5月4日配信 「アデュカヌマブ」と「レカネマブ」
Dementia Improved Support Association of Japan
こちらのメールは、一般社団法人認知機能改善サポート日本協会のメールマガジン『DISA NEWS』に会員登録していただいている方へお送りしております。
世界を認知症ゼロにするため、当協会から皆様に有益な情報をお届けするため、毎月4日に、メールマガジンを発行しています。
高齢化の進む日本を含め世界の認知症の現状を見ると、世界規模では毎年1,000万人近く、3秒に1人が新たに認知症になっています。
私たちは、学術を基礎に、認知機能改善のために役立てる内容と、可能な限り個々の立場に立った有益な情報をお届けしたいと考えています。
本日のメルマガ内容
〇 FDA「迅速承認」された認知症治療薬
◆ 高齢化による認知症患者の増加
◆ 「アデュカヌマブ」と「レカネマブ」
◆ 「レカネカブ」の副作用と治験参加者の死
◆ 「レカネマブ」のリスク
・ 最初の2人の死亡
・ 3人目の患者の死亡
◆ その他の認知症薬
◆ FDAによるレカネマブ迅速承認の肯定派
〇 安心できる食品 栄養補助食品と医薬品の比較
〇 薬剤起因認知症
〇 スーパーエイジャー目指そう!
〇 当協会おすすめの安全安心な農家の皆様
〇 認知機能改善サポート日本協会一般会員・賛助会員の入会ご案内
〇 FDA「迅速承認」された認知症治療薬
◆ 高齢化による認知症患者の増加
アルツハイマー病は進行性の脳疾患で、多くは65歳前後で発症します。
徐々に記憶障害、人格変化、精神障害などをきたし、最終的には死に至る病です。
米国では現在、65歳以上の人々のうち約650万人がアルツハイマー病であると推定されており、
米非営利団体アルツハイマー病協会は、2050年には1270万人に達すると予想しています。
「日本における認知症の高齢者人口の将来推計に関する研究」の推計では、65歳以上の認知症患者数は2020年に約602万人、2025年には約675万人(有病率18.5%)と5.4人に1人程度が認知症になると予測されています。
総務省統計局から発表される日本の高齢者人口は、2022年9月現在の高齢者人口は3,627万人、高齢者人口率は29.1%となりました。
https://www.stat.go.jp/data/topics/topi1321.html
厚生労働省からは100歳以上の高齢者の人口も発表され、2022年の100歳以上の高齢者の人口は90526人です。前年より4016人増加しました。
東京ドームの収容人数は55,000人。
日本有数の施設が満員になっても入りきれないほどの100歳以上の高齢者が日本にはいるということになります。
現時点では、一部の症状に対処する薬はあっても、アルツハイマー病を完治させる薬はありません。
アルツハイマー病患者やその家族は、「軽度のうちに病気の進行を遅らせて、自立した日常生活を送れる期間を延ばす治療法を切望している」と、米カリフォルニア大学アーバイン校の神経生物学者ジョシュア・グリル氏は話しています。
これまでの研究から、アルツハイマー病患者の脳にはアミロイドβ(ベータ)という有害なタンパク質の塊(アミロイド斑)が蓄積していることがわかっています。
この物質がアルツハイマー病の原因なのではないかという説が有力でした。
そのため、過去20年ほどのアルツハイマー病治療薬の開発はアミロイド斑を除去することに集中しているのが現状です。
◆ 「アデュカヌマブ」と「レカネマブ」
米食品医薬品局(FDA)が最近になって承認した2種類のアルツハイマー病治療薬「アデュカヌマブ」と「レカネマブ」も、アミロイドβを除去するように設計されています。
どちらも日本のエーザイと米バイオジェンが共同開発したモノクローナル抗体薬で、アデュカヌマブが水に溶けない形のアミロイドβにより強く結合するという特性があります。
一方、レカネマブは、ニューロン(神経細胞)に対する毒性がより強いと考えられている「プロトフィブリル」と呼ばれる、水に溶ける形のアミロイドβを標的としています。
2021年に承認されたアデュカヌマブは、臨床試験(治験)でアミロイドβを除去できることは確認されたが、認知機能の低下を遅らせる効果はわずかした。
そのため、承認されるべきではなかったと考える専門家も多くいます(※:日本では未承認)。
また、一部の患者では、脳の腫れや出血などの副作用が発生していたこともわかっています。
一方、2023年1月にFDAが「迅速承認」したレカネマブは、認知機能の低下を遅らせる効果があることが初めて治験で示されました。
今回の承認は、レカネマブが早期アルツハイマー病患者の脳内のアミロイド斑を除去することを示した第3相治験に基づきます。
治験開始から18カ月後に患者の認知機能を評価したところ、レカネマブを投与された患者では、プラセボ(偽薬)を投与された患者に比べ、認知機能の低下が27%少なかったといわれています。
この結果は2023年1月5日付けで医学誌「The New England Journal of Medicine」に発表されました。
しかし、米バンダービルト大学医療センターの神経科医マシュー・シュラグ氏は、治験で示された効果はごくわずかだと批判し、投与によるリスクや安全性を懸念しています。
マシュー・シュラグ氏は、アミロイドβはアルツハイマー病という複雑なパズルの1つのピースにすぎず、病気の進行を遅らせたり止めたりする上で重要かどうかはわからないと考えています。
◆ 「レカネカブ」の副作用と治験参加者の死
米エール大学の神経科医クリストファー・バン・ダイク氏らは、レカネマブの治験で、レカネマブ投与群の約13%に脳の腫れ、約17%に脳出血の副作用が見られたのに対し、プラセボ群ではそれぞれ2%と9%にとどまっていたと報告しました。
また、レカネマブ投与群で脳の腫れや脳出血が見られた患者のうち、約3%に頭痛、めまい、錯乱などの症状が現れ、残りの被験者は脳の腫れや脳出血以外は無症状でした。
https://medicine.yale.edu/profile/christopher-vandyck/
この結果は、レカネマブの使用がほぼ安全であることを示唆しているようにみえますが、「確実ではありません」とシュラグ氏は言います。
もっと後になって生理的変化を引き起こし、問題となる可能性はあるとシュラグ氏は考えています。
レカネマブの問題は、治験後に薬の忍容性(患者が副作用に耐えうる程度)を評価するフォローアップ試験で3人の患者が死亡していることです。
この3人が18カ月間の治験の間にレカネマブを投与されていたのかプラセボ群にいたのかは明らかにされていませんが、いずれも治験終了後にレカネマブを使用することを選択していました。
・ 最初の2人の死亡
2022年10月28日に米医療メディア「STAT」および同11月27日に学術誌「サイエンス」の記事でそれぞれ報じられました。
2人の死亡は「脳アミロイドアンギオパチー」が原因であることが明らかにされました。
これは、アミロイドが血管壁の平滑筋細胞に置き換わってしまう状態で、アルツハイマー病患者によく見られる病状です。
この状態の患者からアミロイドを除去すれば、血管が破壊され、出血が起こる可能性があると、米テキサス大学サンアントニオ校の神経生物学者ジョージ・ペリー氏は指摘しています。
https://www.j-alz.com/members/584
死亡した2人の患者はいずれも抗凝固薬(血液をサラサラにする薬)を使用しており、このような場合、出血が悪化するおそれがあるのです。
エーザイは、患者の死亡はレカネマブに起因するものではなく、心臓関係の併存疾患や抗凝固薬の服用などの危険因子が関連したものと評価していると回答しています。
・ 3人目の患者の死亡
2022年12月21日には3人目の患者の死亡が「サイエンス」のニュース記事で報道されました。
患者は米フロリダ州在住の79歳の女性。
彼女は、アルツハイマー病以外には明らかな健康上の問題はなく、発作を起こして入院するまでは抗凝固薬も使用していませんでした。
「サイエンス」からの依頼で患者の医療記録を調べたシュラグ氏は、脳に広範囲の腫れと小さな出血が複数あると指摘しました。
そして、これらはレカネマブの使用と関連づけられ、患者の死因であると結論づけたのです。
エーザイは3人目の患者の死亡については調査中だが、現時点では調査担当者に患者の医療記録へのアクセス権が与えられていないと回答しています。
「レカネマブ投与群の死亡報告はプラセボ群と同様であり、全体的な死亡や個々の原因による死亡の増加を示唆するものではありません」と説明しています。
◆ 「レカネマブ」のリスク
ペリー氏は、レカネマブはリスクが高すぎると主張しています。
「私が自分の家族のために決断するならば、費用の問題を抜きにしても、この薬を勧めることはないでしょう」
レカネマブの添付文書には脳腫脹と微小出血に関する警告があり、抗凝固薬を使用している人に処方する場合は注意するよう促しています。
シュラグ氏は、この注意書きは目立ちにくいと指摘します。
「私が他の臨床医に助言するなら、くれぐれも慎重に、と言うでしょう」
バン・ダイク氏らは論文で、レカネマブの安全性と有効性を見極めるためには、もっと長期間の治験が必要だと述べています。
米国立衛生研究所(NIH)とエーザイが資金を提供する「AHEAD試験」では、現時点ではアルツハイマー病とは診断されていないものの、発症リスクが高い人々(※)の脳の変化を、レカネマブが遅らせたり阻止したりできるかどうかを検証しています。
(※)発症リスクが高い人:家族に認知症の患者がいる人や、脳内のアミロイド濃度が高い人、アルツハイマー病に関連する遺伝子変異がある人が当てはまります。
アデュカヌマブと同様に、副作用として脳の浮腫や出血があります。臨床試験では、12.6%の人に脳浮腫、17.3%の人に脳内出血が確認されましたが、多くの人は自覚症状がありませんでした。このため、レカネマブを使用できるようになった場合は、定期的にMR検査を受ける必要があり、浮腫や出血が認められれば、投薬を休止、もしくは中止します。
また、レカネマブは抗体製剤のため、特に初回の点滴後には、重いアレルギー症状「アナフィラキシー」や発熱、寒気などの症状が出ることもあります。
◆ その他の認知症薬
・ 米イーライ・リリーが開発中の「ドナネマブ」
アミロイドを標的としている抗体薬であり、同社は早期のアルツハイマー病患者に有効かどうかを検証中です。
・ 他のタンパク質や因子についての議論
脳内の「タウタンパク質」も認知機能の低下や認知症との関連が指摘されており、タウを標的とした治療法を開発している科学者もいます。
・ 酸化ストレスを抑制する治療法
活性酸素と呼ばれる有害な分子が、細胞内の抗酸化物質を圧倒してニューロンを損傷し、アルツハイマー病を引き起こすのではないかとして、酸化ストレスを抑制する治療法を模索している研究者もいます。
バン・ダイク氏は、将来のアルツハイマー病治療は、複数の薬を組み合わせて、アミロイドβだけでなく複数の標的を狙うものになることもあり得ると考えています。
◆ FDAによるレカネマブ迅速承認の肯定派
FDAによるレカネマブの承認を前向きな進展と見る人々もいます。
米カリフォルニア州オレンジ郡でアルツハイマー病患者のケアと支援サービスを提供している非営利団体「アルツハイマーズ・オレンジカウンティー」のジム・マッカリアー最高経営責任者(CEO)は、「アルツハイマー病を改善する薬はこれまでありませんでした」と言います。
「この薬はアルツハイマー病を完治させるものではありませんが、改善させる薬がついに登場したことは、人々を大いに勇気づけると思います」
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〇 安心できる食品 栄養補助食品と医薬品の比較
私たちは、病気になれば医薬品で治療をすることが常です。
一方で、治すつもりの薬が原因で命を落とす場合もあります。
詳しい内容は、ウェブサイトの記事をご高覧ください。
「安心できる食品 栄養補助食品と医薬品の比較」
〇 薬剤起因認知症
前回メルマガでご紹介したように、日頃から内服している薬剤が原因となって、引き起こされる薬剤起因認知症があります。
詳しい内容は、ウェブサイトの記事をご高覧ください。
「安心できる食品 栄養補助食品と医薬品の比較」内「薬剤起因認知症」
〇 スーパーエイジャー目指そう!
高齢者でありながら記憶力も思考の回転スピードもまったく衰えない人たちも存在しています。
脳の研究者の間ではそうした高齢者を「スーパーエイジャー」と呼んでいます。
マサチューセッツ総合病院の研究グループによると、スーパーエイジャーたちの脳波、神経細胞ネットワークの一部が20代の脳に似ていること、そして、一般的には脳は加齢で萎縮するはずが、萎縮しない状態を保っていることが分かりました。
80歳以上の高齢者が詳しい認知機能の検査を受け、50~60代の正常な人々と同じかそれ以上の記憶力がある場合に限って、研究対象に入ることができます。
特に、日常の出来事や過去の経験をよく記憶していることが条件だといいます。
応募者の中で条件に合うのはわずか10%ほど。
知能指数(IQ)検査の結果は平均的な高齢者とあまり差がなく、知的レベルだけの問題ではないということです。
対象に選ばれた人々の脳を三次元(3D)スキャンで調べた後、認知機能の検査と脳スキャンをほぼ毎年繰り返してきた結果、ほとんどの人は年を取ると脳が委縮していきますが、スーパーエイジャーは思考や判断、記憶をつかさどる大脳皮質の厚みが変わらず、50~60代に比べて脳萎縮のペースも遅いといいます。
スーパーエイジャーの脳は本人の意思で死後に寄付されることが多く、それを調べると、アルツハイマー病で最初にむしばまれる領域のひとつである「嗅内野」に、より大きく健康な細胞が多いことが分かったそうです。
嗅内野は記憶と学習に欠かせない領域で、記憶保持を担うもうひとつの主要な領域「海馬」と直接つながっています。
また、スーパーエイジャーの脳は、認知症を引き起こす「タウたんぱく質」の量が、健康なグループの3分の1だったそうえす。
スーパーエイジャーの脳では、脳内の素早い情報伝達に役立つとされる紡錘(ぼうすい)形の細胞「VEN」の数が多いことも分かりました。VENがある「前帯状皮質」は、情緒のコントロールや注意力に重要な役割を果たすと考えられています。
これらの研究結果からうかがえることは、遺伝的因子が大きいということです。ただ確認するには、対象者が生まれてから死ぬまで神経細胞の大きさなどを測り続ける必要があり、それは明らかに不可能なことです。
チームによると、スーパーエイジャーに共通するのは活動的かつ前向きで、毎日脳を刺激し、読書をしたり新たなことを学んだりしているという特性です。社交的で家族や友人に囲まれ、地域のボランティア活動にも積極的に参加することが多いといいます。
光華に含まれる霊芝成分は、免疫や微小循環に働きかける効果があり、血流に良い影響をあたえてくれます。
また、明るく元気な毎日のために、「アンチストレス」を服用することで、日常生活が元気に滞りなく過ごせるようになります。
https://dis-shop.info/product/anti-stress/
〇 当協会おすすめの安全安心な農家の皆様
無農薬でお米やお野菜、自然薯などを作っている農家の皆様をご紹介しております。
https://disajp.org/knowledge/4737/
〇 認知機能改善サポート日本協会一般会員・賛助会員の入会ご案内
当協会では、個人会員とペア会員の一般会員と、薬店を経営されている団体・法人が入会できる賛助会員を募集しております。
一般会員は、入会金1万円。個人会員は月会費3万1千円(毎月光華1箱・会報誌発送)。ペア会員は月会費5万8千円(毎月光華2箱・会報誌発送)。
過去に光華ご購入者で一般会員の方は、入会金無料でご入会いただけます。
入会資格等については、協会公式サイトで詳しくお伝えしております。
会員募集ご案内 ➡ https://disajp.org/member-recruitment/
一般会員入会申込ページ ➡ https://disajp.org/membership/levels/
※ 当協会賛助会員証を取得している賛助会員のみ、光華正規販売店です。取り扱い薬店は、DIS SHOPでご紹介しています。その他の販売者から購入されました商品については、当協会では責任を負えませんのでご了承ください。
認知機能障害の改善には、光華を継続して服用いただくことが非常に重要です。飲み忘れを防ぎ、日々の生活の中で認知機能障害改善を食生活に取り入れていただきたいと願っております。
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認知機能改善には、微小循環の正常化が非常に有効であり、微小循環の正常化のためには、天然素材の「霊芝」の適正摂取が必須であると、当協会は考えます。
認知症だからと諦めず、認知機能は改善可能であると、人間に生まれついて備わった生理学の研究によって明らかにし、広く啓蒙を行っています。この情報を一人でも多くの方にお届けしたいと思います。
家族みんなが笑顔であることが、私たちの喜びです。
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当協会の目的・理念に賛同し、認知機能改善に有効な高品質霊芝のサプリメント「光華」の啓蒙・販売をしている「DIS SHOP」を、御紹介いたします。
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