アルツハイマー認知症は、おおよそ、下記のような段階で進んでいきます。
赤ちゃんが一つずつできることが増えていくように、認知症の方は、徐々に、出来ることが出来なくなっていきます。
赤ちゃんの成長にも個人差があるように、認知症の進行にも個人差があり、周囲の環境や関わり合い方で、認知症の進行を遅らせることができます。
① 認知症前段階 |脳内でアルツハイマーの予兆が始まっていても、認知能力は正常で日常生活に差し支えはありません。
② 軽度認知障害(MCI) |発症前段階で、認知機能の一部に問題が生はじめたものの、日常生活には支障がない状態です。MCIといわれる段階で適切な治療を受ければ、認知機能低下や発症を遅らせることができます。
③ 軽度の認知機能低下|アルツハイマーの初期段階で、少しずつ症状が現れ、身近な人でもなかなか気がつきません。最初に異変に気づきやすいのは本人で、その事実にショックを受け、大きなストレスを感じ、不安やうつ状態を引き起こすこともあります。
④ 中度の認知機能低下|初期段階のアルツハイマー病と診断可能になります。記憶力の低下、意識の低下など、周囲の人も気づきやすくなります。コミュニケーションは普通にできますが、日常生活でできないことが増えていきます。長谷川式スケールにある「100から7を順番に引き算する」といった暗算ができなくなったり、お金の管理が難しくなったりします。こうしたことから他人との接触を拒むようになります。
⑤ やや重度の認知機能低下|自宅の住所や電話番号、卒業した学校名などを思い出せなくなります。場所や日付・曜日なども混乱してしまうようになります。「20から2を順番に引き算する」ような比較的簡単な計算もできなくなっていきます。真冬に半袖を着たり、真夏に服を着こむといった見当識障害の症状も出現します。
⑥ 重度の認知機能低下|最近の出来事や周囲の環境について、ほとんど認識ができなくなります。トイレの水を流す、トイレの場所が分からない、入浴介助が必要になるなど、自力での日常生活が困難になります。徘徊し、迷子になることもあり、家族の負担が大きくなります。人が変わったように疑い深くなり、幻覚、妄想、攻撃的な行動が増えます。しかし、自分の名前はまだ正しく覚えており、家族の名前も時折忘れることがあっても、顔はきちんと覚えているという状態です。
⑦ 非常に重度の認知機能低下|食事やトイレ、入浴、着替えといった日常生活全般にわたり介護が必要になります。家族だけでの介護は非常に困難です。長年連れ添った配偶者や子どもの顔も認識できなくなり、話しかけても無反応になり、表情が消えます。座ることも介助が必要で、頭を正面に保てないという状況になることもあります。やがて、寝たきりとなり、嚥下障害や筋肉の硬直、異常な反射反応なども出てきます。