夏に認知症が進行した と 当協会あてに お悩みの相談が増えています
今年の夏もまた、熱中症で搬送される方のニュースを 多く耳にされたことでしょう。
総務省発表の「熱中症による救急搬送状況」 によりますと、
平成 29 年 7月の 全国における 熱中症による 救急搬送人員数は 26,702 人でした。
これは、昨年 7月の救急搬送人員数 18,671 人と比べると 8,031 人多くなっています。
平成 29 年 5月から 7月までの 熱中症による救急搬送人員数は、33,584 人で、
昨年の同時期の救急搬送人員数 25,017 人と比べると 8,567 人多くなっています。
救急搬送人員数の年齢区分では、高齢者が最も多く、
満 65 歳以上 が 13,337 人(49.9%)と
ほ半数を占めています。
本年の夏には、特に7月の猛暑で、認知症の進行が進んだという ご家族からのご心配の声を多くいただきました。
・家のトイレの場所が わからなくなった
・見えない人がいる と言うようになった
・同居の孫のことを「迷子を家に泊めてやっているのに、ずいぶん偉そうだ」と言い、
夏休みに泊まりにきた離れた孫のことは理解しているので、同居の孫が哀しい思いをしている
・家族が日中いないので、デイサービスを利用して、家の中まで送ってもらっても、
外へ出て徘徊をはじめて、近所の人から迷惑がられている
環境省が自治体向けに、熱中症と高齢者との因果関係について発表しています。
( http://www.wbgt.env.go.jp/pdf/kogi01.pdf )
熱中症弱者(特に熱中症に弱い人たち)について
・高齢者
体内水分量が少ない、汗をかきにくい、気温の上昇への感度も悪く、のどの渇きを感じない傾向がある、エアコンを使いたがらない、持病がある
・既往歴
高血圧(利尿薬(脱水を招く)、降圧薬(心機能抑制)、糖尿病(尿糖による多尿)、精神疾患(向精神薬の発汗抑制作用、社会との接触が少なく暑熱順化が不十分、暑さを気にしない)、脳卒中後遺症、認知症(暑さを気にしない、対応しない、できない)など
・日常生活
身体的ハンデキャップ(活動性が低く暑熱順化が不十分)、独居(家族の見守りがない、社会とのつながりが少ない)、経済的弱者(エアコン設置なし、電気代、悪い住居環境、低栄養状態)
認知症は、ゆっくりと進行するのが特徴なのですが、
この「熱中症弱者」の定義にあてはまる方たちは、特に、夏になり気温が上がると、熱中症になりやすく、
脳に深刻なダメージを与え、認知症状が 急激に進む方が大勢います。
軽度認知症の方が、数日で重度まで進行する例もあります。
特に 夏に 急激に 認知症の症状が進み、重度の症状が現れていらした方は、
一人で抱えず、当協会に、お悩みをご相談くださいませ。