ラフマ – Apocynum Venetum は 「中華人民共和国薬典」 に 心臓病 、腎炎 、高血圧 、不眠症 、神経衰弱 などの 治療薬として収載されており、心を安定させる茶葉 として 中国で利用されてきました。

当協会 学術研究顧問 森昌夫教授 学術研究発表 セロトニン神経と羅布麻―紅麻 Apocynum Venetum は、下記に掲載しております。

 

【セロトニン神経と羅布麻―紅麻 Apocynum Venetum 概要】

1970年代にラフマの薬理作用が各研究機関により確認され、『中華人民共和国薬典』―(日本薬局方に相当)に掲載されて医薬品として認められた。

『陜西中草薬』の記載 ラフマ効能

平肝降圧、強心、利尿である。
つまり、下記に改善作用がある。

1. 高血圧による眩暈、頭痛、不眠、多夢
2. 精神不安定
3. 急・慢性心不全、うっ血性心不全
4. 心臓・肝臓・腎臓性浮腫
など。


ラフマの有効成分と構造

ラフマの葉の抽出物には、フラボノイド配糖体(ヒペロシド: hyperoside、イソクエルシトリン: isoquercitrin)、カテキン類、アポシニン類などが豊富に含まれることが明らかになっている。
特異成分として ヒペロシド(hyperoside)、 イソクエルシトリン(isoquercitrin)などが認められた。


ラフマ葉の生理作用(漢方医学大辞典 記載)

1. 鎮静作用(抗ストレス作用)
2. 睡眠改善
3. 利尿作用
4. 血圧降下
5. 心臓病改善
6. 腎炎浮腫改善
7. 肝臓保護


薬理作用 – アンチストレス

ラフマ錠剤名 : アンチストレス(30錠 / 箱)
服用法 : 1~2錠 / 回 ・ 2回 / 日。
一錠中の主な成分 : ラフマ葉エキス 35mg / 甘草エキス 25mg / イチョウ葉エキス 25mgなど。


セロトニンについて

セロトニン(英:  serotonin) 別名 5-ヒドロキシトリプタミン(英 :  5-hydroxytryptamine、略称 :  5-HT
必須アミノ酸トリプトファン から生合成される 脳内の神経伝達物質のひとつ
動植物に広く分布する 生理活性アミン、 インドールアミンの一種。
名称は serum(血清)と tone(トーン) に由来し、血管の緊張を調節する物質として発見・名付けられた。
ヒトでは ドパミン・ ノルアドレナリン を制御し 精神を安定させる働きをするほか、 生体リズム・神経内分泌・睡眠・体温調節などに関与する。

wikipedia セロトニン )


ラット中枢神経(視床下部、海馬など)への作用の実験

脳内アミンレベルに対する作用について

ストレスや Depression状態に伴い 脳内神経伝達物質の量が変動することが知られている。
そこでラット脳内モノアミン* に対するラフマ錠剤の作用を検討した。

*(セロトニン、ノルアドレナリン、ドーパミンの3つを総称してモノアミン神経伝達物質と呼ぶ、アドレナリン、ノルアドレナリンの前駆体でもある。)

ラフマ錠剤(15、60 及び 250mg/kg)及び イミプラミン(15mg/kg 経口投与)を、恐怖条件付けストレス試験(Conditioned fear test)かけられているラットに 8週間連続経口投与。
脳内の神経伝達物質であるモノアミンの変化をコントロール組と比較した。

【結果】

5-HIAA:セロトニンの代謝物、血漿或は尿液中に検出できる。
セロトニン(5-HT)はイミプラミン組とラフマ低、中用量組の8週目に増加の結果が見られた。

ラフマは脳内カテコールアミン(DOPA、NE)及びその代謝物(DOPAC)に影響した。

その強さはイミプラミンとほぼ変わらない位であり、短期間でも作用が見られた。
用量について、低ラフマ用量組は2週間で作用し、高用量組より作用の強いことが判明された。
一方、5-HT及びその代謝物(5-HIAA)に対して、イミプラミンと同様に低、中用量のラフマは増加作用を有することが確認された。

β-アドレナリン受容体数の変動

β-アドレナリン受容体を減少する薬はβブロッカーである。

よく知られている副作用は: うっ血性心不全 末梢動脈血行不全 洞性徐脈 AVブロック 起立性低血圧 喘息発作誘発
禁忌 : 喘息 心ブロック 末梢循環不全など。

試験結果から、ラフマによる抗ストレス作用は セロトニン系神経伝達物質セロトニンの増加 が認められた。

アドレナリン系神経の NEレベルを低下させることによるものと考えられる。

NEレベル低下に関しては、NEの代謝促進或は、NEの異常放出を阻害した結果 NEレベルを低下させた可能性が考えられる。

薬物との相互作用

各種薬剤の中で血圧降下剤である ニフェジピン(Nifedipine) の代謝は 肝臓代謝酵素の影響を受けることがよく知られているため、薬物相互作用の研究ではよく使われている。

ラフマの単回同時投与によるニフェジピン血中濃度に対する影響

ラットに ニフェジピン(0.4mg/kg)を経口投与と同時に ラフマ 15mg/kgを投与し、ニフェジピンの血中濃度の変化を比較した。

ラフマを併用時の最高濃度は 単独投与と同じであり、ラフマのほかの薬物への影響はなかったことが確認された


森昌夫教授 研究内容

セロトニン神経と羅布麻―紅麻 Apocynum Venetum

セロトニン神経と羅布麻―紅麻 Apocynum Venetum 01

セロトニン神経と羅布麻―紅麻 Apocynum Venetum 02

セロトニン神経と羅布麻―紅麻 Apocynum Venetum 03

セロトニン神経と羅布麻―紅麻 Apocynum Venetum 04

セロトニン神経と羅布麻―紅麻 Apocynum Venetum 05

羅布麻 06

羅布麻―紅麻 07

セロトニン神経 08

 


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