飼い主とペットが共に認知症 になるケースは、「ダブル介護」と呼ばれています。

飼い主の認知症が進行することでペットの世話が困難になり、不衛生な環境や適切な世話不足でペットの健康も悪化する「ダブル介護」が深刻化しています。

それによって、家族の負担も増加してしまいます。

一方で、ペットの飼育は飼い主の認知症リスクを減らす効果も期待されており、両者のケアをどう両立させるか。

その支援が必要になってきます。

ペットは家族同然の存在ですが、ペットの介護に公的支援はありません。

ペットの介護、そして家族とペットのダブル介護には解決法がなく、答えの出ない問題となっています。

ペット介護の問題は、これからますます増えていくことでしょう。


ペットの認知症

人間と同じように、ペットもシニア期に入ると、身体的衰えだけでなく、行動も変化が現れます。

認知症は、人間だけでなく、ペットの長寿化(高齢化)に伴い、

認知症(認知機能不全症候群 / CDS)を発症する犬や猫は増加傾向にあります。

参考:一般社団法人ペットフード協会 令和7年(2025年)全国犬猫飼育実態調査 主要指標サマリー
(平均寿命は、犬・猫ともに2010年以来伸びています ― 犬の平均寿命(2010年比 約+1歳)、猫(2010年比 約+2歳))

2026年現在の動向とこれまでの調査結果に基づくと、以下の状況が明らかになっています。


発症率の増加と高齢化の相関 ペットの認知症が増えている主な要因増加の背景

ペットの長寿命化 : 混合ワクチンやフィラリア予防、キャットフード・ドッグフードの質の向上により、かつては寿命で亡くなっていた年齢を超えて生きるようになった。

(平均寿命が延びたことで、以前は発症する前に寿命を迎えていた個体が、脳の老化による認知障害を発症するケースが増えた)

室内飼育の普及 : 飼い主がペットの細かな変化(夜鳴き、トイレの失敗、反応の鈍さ)に気づきやすくなり、症例として認識されるようになった。

獣医療の認知向上 : 以前は「単なる老衰」と片付けられていた症状が、現在は「認知機能不全症候群」として診断されるようになった。

参考:eqall Life ペットの暮らし専門メディア
高齢動物の問題行動を相談されたとき」 水越 美奈 日本獣医生命科学大学


発症年齢と有病率

犬 : 10歳頃から始まり、高齢になるほど発症確率が高まります。

12~13歳以上で急増(約28 %)する傾向があります。14〜15歳を過ぎると発症率が急増し(15~16歳で約68 %)、14〜60%が何らかの認知機能低下を示すという研究報告があります。

犬種 : 柴犬などの日本犬はなりやすいと言われていますが、どんな犬種でも年齢とともにリスクは上がります。

猫 : 15歳以上で約50%に認知機能低下の症状が見られるとされており、猫の高齢化とともに顕在化しています。

認知症の原因: 人間と同じように脳の萎縮や、アミロイドβなどの物質が脳に蓄積することが原因と考えられています。


ペット(犬や猫など)の認知症の主な症状

夜鳴き・単調な吠え声 : 夜中に突然鳴き出し、なだめても止まらない。

徘徊(はいかい) : 目的もなく部屋の中を歩き回り続ける。逆に、ドアや扉の前で立ちすくんでいることも。

狭い場所に入り込む : 家具の隙間などに入り、バックして出られなくなる。

昼夜逆転 : 昼間はずっと寝ていて、夜になると活動的になる。

トイレの失敗 : 今までできていた場所で排泄できなくなる。

飼い主を忘れる : 飼い主の呼びかけやしつけに対し、反応がない。飼い主に甘える行動が見られなくなる。

食欲や興味を失う : 食欲がなくなったり、逆に過食になる。おもちゃや遊びに興味を示さなくなる。

これらの症状は、犬の認知症(認知機能不全症候群 / CDS)の初期段階でよく見られます。

脳の神経細胞が加齢とともにダメージを受けたり、神経伝達がスムーズにいかなくなったりすることで起こると考えられています。


CDSの主な症状(DISHAAの6徴候)

DISHAAという評価指標で示される主な変化は以下の6つです。

Disorientation (見当識障害) : 徘徊。家の中で迷う、家具に挟まる。

Interaction (社会性の変化) : 飼い主や他のペットへの関心が薄れる、無反応。飼い主への依存度が変化。

Sleep-wake cycle disturbances (睡眠覚醒サイクルの変化) : 昼夜逆転、夜中に騒ぐ(夜鳴き)。

House-soiling (トイレの失敗) : 決まった場所で排泄できない。

Activity level changes (活動性の変化) : 活発さが低下したり、逆に落ち着きがなくなる。

Anxiety/agitation (不安・落ち着きのなさ) : 不安感が増し、落ち着きがなくなる。


飼い主ができること(予防・対策)

早期からのケア : 10歳頃から、適度な運動、脳に良いとされる DHA・EPAなどのサプリメント、食事の見直しを。

生活環境の整備 : 日光浴、適度な運動、スキンシップ、安全な環境作り。

定期的な健康診断 : シニア期は 年1〜2回の認知機能評価も有効です。

獣医師への相談 : 症状が出たら動画を撮るなどして、早めに専門家に相談しましょう。


ドッグフードは総合栄養食として優れていますが、脳の健康に特化した成分が十分に含まれているとは限りません。

特に、脳の神経細胞の膜を構成し、情報伝達をスムーズにする働きが期待される「DHA(ドコサヘキサエン酸)」や「EPA(エイコサペンタエン酸)」といったオメガ3脂肪酸は、熱に弱く酸化しやすい性質を持っています。

当協会の「光華」をペットに服用させたところ、ペットであっても認知機能の改善が認められたと感謝のお声をいただいております。


高齢の飼い主が直面する最大の課題は、ペットの世話が公的介護保険の対象外であるという点です。

飼い主が要介護状態になったり、病気で入院が必要になっても、訪問介護では原則としてペットの給餌や散歩、排泄介助などに対応できません。

体力の衰えにより、犬の散歩で持病の膝の痛みが悪化したり、毎日の手入れやトイレ掃除が困難になったりするケースもあります。

さらに深刻なのは、飼い主の死亡や病気によってペットが飼育困難となり、保健所などに引き取られるケースが増加していることです。

東京都における飼い主からの犬・猫の引取りは、「飼い主の病気」(59%)や「飼い主の死亡」(9%)といった飼い主の健康問題を理由とするものが約7割を占めているといいます。


飼い主とペットが共に認知症

飼い主とペットが共に認知症 事例

70代 Aさんの事例

70代ご夫婦はペットの犬を飼っていました。

ペットは、14歳を越えた頃から目が見えにくくなり、トイレの失敗も増えるようになりました。

さらに、昼夜逆転し、夜鳴きもひどく、一晩中部屋の中をクルクルと円を描くように歩き回ります。

70代の夫も認知症と診断されていましたが、ペットの認知症の症状が進むと共に、夫の認知症も悪化していきました。

ペットの状態が不穏なときは、夫も不穏になることが多く、妻のAさんはほとんど眠れなくなりました。

きれい好きで片付け上手なAさんも、飼い主とペットが共に認知症 「ダブル介護」 の状態に疲れ果て、

ペットの排泄の後始末にも手が回らなくなり、家は散らかり放題になってしまいました。

夜になるとペットが歩き回る爪音が延々と響き、夜鳴きでワンワン鳴き出すと、

難聴で耳が聞こえにくいはずの夫まで起きて「うおー! うおー!」と叫び出します。

最終的に夫は施設に入居。

Aさんは、昼間に休める時間を確保できたことで元気を取り戻しました。

Aさんは、ペットと夫のダブル介護の限界が来ていました。

後に、Aさんは、ペットの介護がなかったら、夫の施設入居の話がきても、もうちょっと頑張ろうと断っていたかもと言います。

Aさんは「人間よりも寿命が短いペットの介護について、何も考えていなかった」「自分が倒れてしまう可能性もあるのに、無責任だった」と反省し、ペット介護サービスについて情報を集め始めたそうです。

介護もダブル介護も、一人で抱え込まないことが重要です。

 

80代 Bさんの事例

80代のBさんは認知症が進行しながらも、ペットの犬と生活していました。

最終的に、Bさんは、ペットと暮らせる施設に入居しました。

Bさんの場合は、公的支援の壁が自立支援を妨げたケースです。

Bさんは、認知症でしたが、「徘徊」や「物盗られ妄想」、ご飯を食べさせてもらえないなどと思い込むような「被害妄想」などの症状はありませんでした。

キッチンコンロやストーブなどの火気器具は、家族が全て撤去し、火事の心配もなく、

トイレは自力で使うことができ、排せつ物をいじってしまう「弄便」という認知症の周辺症状の悩みもありませんでした。

食事は高齢者用の弁当配達サービスや、デイサービスセンターで食べる昼食を利用していました。

お風呂もデイサービスセンターで入れてもらい、ホームヘルパーさんも助けてくれていました。

様々な在宅介護サービスを利用することにより、Bさん自身は自立した生活ができていました。

Bさんは重度の認知症と診断されていましたが、周辺症状(BPSD)と呼ばれる行動面での大きな問題はなく、介護を受ければ生活が成り立つタイプでした。

Bさんは、ペットの犬に、毎日朝晩、家族に買ってきてもらったドッグフードの缶詰を与えていました。

が、やったことをすぐに忘れてしまうため、毎回、缶詰を何個も開けてしまうのです。

蓋を開けたまま放置されて腐った缶詰が、山のように並んでしまいます。

ペットの散歩に行くこともできなくなり、ペット用トイレには排せつ物があふれるようになりました。

Bさんは、ペットの排せつ物を適切に処理することができません。

家中、ペットの尿や便で汚れているようになってしまいました。

不衛生な環境で暮らしていては、Bさんの体調にも影響すると、家族が施設への入居を決めました。

第三者から見れば、Bさんの場合は、ほんのわずかな支援があれば、まだ生活が継続できたのではないかと思われます。

わずかな支援とは、ホームヘルパーがペットの世話をすることです。

ペットのご飯と水を管理し、トイレを清掃するだけで、Bさん宅の環境はかなりの改善ができます。

Bさんは歩くことができたので、ホームヘルパーが付き添って犬の散歩ができれば、ペットに関する問題はほぼなくなったはずです。

しかし、そ現行の介護保険制度の中では、原則、ホームヘルパーがペットの世話をすることはできないと決まっています。

ペットの世話は、高齢者が生きるために不可欠なことではない!とされているためです。

現在、ペットについては、民間の業者や、保険外サービスを利用することでしか解決できません。

しかし、ホームヘルパーがペットの世話をすることで生活環境を改善することでBさんの健康状態の悪化を防げます。

ペットの散歩にBさんも一緒に行くことで、体力や歩行能力の維持も可能です。

その結果、施設に入居せず、自宅での生活を続けられていたでしょう。

費用面でも、施設入居よりも、国が負担する費用(介護保険から出される費用)は少なくて済みます。

また、Bさんの健康状態が良ければ、医療費も安くなります。

介護保険では、病院への付き添いのついでに、道中のスーパーで買い物をすることもできません。

公的支援の壁とは、このような課題を抱えていることを示します。

 


飼い主とペットが共に認知症 (ダブル介護)の現状

世話の困難化 : 飼い主の認知症が進むと、ペットの食事管理(フードの無駄遣い)、排泄物の処理(不衛生な環境)、散歩など日々の世話がおろそかになり、ペットの健康や衛生状態が悪化します。

環境の悪化 : 家中が汚物で散らかる、腐った食べ物が放置されるなどの事態も起こり、飼い主自身の健康リスクも高まります。

精神的負担の増大 : 家族も「ペットの世話」と「飼い主の介護」の両方に追われ、睡眠不足や疲労困憊に陥り、サポートが困難になることがあります。

ペットの認知症 : 飼い主の認知症が進行すると、ペット(特に犬)への刺激不足やストレスが増え、ペット自身の認知症を進行させる可能性もあります。

「飼い主の認知症予防」としてのペット(特に犬)の役割

リスク低減効果 : 犬の飼育は、飼い主の認知症発症リスクを約40%低下させることが研究で示されています。運動習慣の維持や社会的つながりの強化に繋がるためです。

生きがいと規則正しい生活 : 高齢者にとって「生きがい」となり、規則正しい生活リズムを促します。

両者を支えるための対策・支援

専門機関の利用 :  介護保険サービス、老犬ホーム、ペットシッター、動物病院の連携などが重要です。

家族・地域の協力 : 家族が宿泊してサポートする、地域包括ケアシステムの中でペットケア支援を組み込む、など多角的なアプローチが必要です。

早期の介入 : 飼い主の認知症が軽度なうちからペットの世話の負担を減らすための支援を受けることで、ダブル介護状態になるのを防ぎ、ペットのケアも継続しやすくなります。

今後の課題

飼い主とペットが共に認知症になる状況は、介護負担の増大とQOL(生活の質)の低下を招きやすいですが、犬の飼育が飼い主の認知症予防にも繋がるため、「飼い主の認知症ケア」と「ペットのケア」の両方を一体で考える、包括的な支援体制の構築が急務とされています。

飼い主とペットが共に認知症になる「ダブル介護」は増加傾向にあり、介護者の負担が非常に大きく、ペットの世話は介護保険対象外のため公的支援が乏しいのが現状です。

解決策としては、介護保険サービスをうまく活用しつつ、外部のサポート(ペットシッター、地域サービス、家族、友人)を探す、認知症カフェなどで情報を得る、施設入居を検討する(ペット同伴可の施設)、そして何より介護者自身の心身のケアが重要で、時にはペットとの関係を見直す覚悟も必要になることもあります。

 


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